I 未払賃金の立替払制度の概要
○未払賃金立替払制度とは
「未払賃金立替払制度」とは、「賃金の支払の確保等に関する法律」(以下「賃確法」という。)に基づき、企業が「倒産」したために賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払賃金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構(以下「機構」という。)が事業主に代わって支払う制度です。
○未払賃金立替払制度の対象となる倒産とは
未払賃金立替払制度の対象となる倒産とは次の場合をいいます。
| (1) |
法律上の倒産 |
|
破産法に基づく破産手続きの開始、会社法に基づく特別清算の開始、民事再生法に基づく再生手続の開始又は会社更生法に基づく更生手続の開始について裁判所の決定又は命令があった場合 |
| (2) |
中小企業における事実上の倒産 |
|
事業活動に著しい支障を生じたことにより、労働者に賃金を支払えない状態になったことについて労働基準監督署長の認定があった場合
具体的には、①事業活動が停止し、②再開する見込みがなく、③賃金支払能力がない状態になったことをいいます。
なお、中小企業の範囲については下表のとおりです。 |
○立替払を受けることができる人とは
立替払を受けることができるのは、次の要件を満たしている場合です。
| (1) |
使用者が |
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1. |
労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で1年以上事業活動を行っていたこと(法人、個人の有無、労災保険の加入手続きの有無、保険料納付の有無は問いません。)。 |
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2. |
法律上の倒産又は事実上の倒産に該当することとなったこと。 |
| (2) |
労働者が |
|
1. |
倒産について裁判所への破産申立等(事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長への認定申請)が行われた日の6か月前から2年の間に退職していること。 |
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2. |
未払賃金があること(ただし、未払賃金の総額が2万円未満の場合は立替払を受けられません。)。 |
○立替払の対象となる賃金とは
立替払の対象となる未払賃金は、退職日の6か月前の日から機構に対する立替払請求の日の前日までの間に支払日が到来している「定期賃金」及び「退職手当」で未払のものに限られます。
したがって、賞与その他臨時的に支払われる賃金、解雇予告手当、賃金に係る遅延利息、慰労金や祝金名目の恩恵的又は福利厚生上の給付、実費弁償としての旅費等は対象にはなりません。
なお、立替払の対象となる未払賃金は、税、社会保険料、その他の控除金の控除前の額です。ただし、その他の控除金のうち、事業主の債権に基づき、当該賃金から控除が予定されているもの(社宅料、会社製品の購入代金、貸付金返済金等)については控除します。
○立替払の請求ができる期間は
裁判所の破産等の決定又は労働基準監督署長の倒産の認定があった日の翌日から起算して2年以内です。
この期間を過ぎてしまった場合は立替払を受けることはできません。
○立替払される額は
立替払される賃金の額は、未払賃金総額の8割です。ただし、未払賃金総額には、退職日の年齢に応じて限度額が設けられており、未払賃金総額が限度額を超えるときはその限度額の8割となります。
| 退職日における年齢 |
未払賃金総額の限度額 |
立替払上限額 |
| 45歳以上 |
370万円 |
296万円 |
| 30歳以上45歳未満 |
220万円 |
176万円 |
| 30歳未満 |
110万円 |
88万円 |
○立替払を受ける場合の手続は
立替払の請求の手続については、倒産事由が法律上の倒産の場合と事実上の倒産の場合とでは異なります。
| (1) |
法律上の倒産の場合の手続は次のとおりです。 |
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1. |
立替払請求人は、未払賃金総額等必要事項についての証明を管財人等に申請します。 |
|
|
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破産等の区分
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証明者
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破産・会社更生
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管財人
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特別清算
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清算人
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民事再生
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再生債務者等
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2. |
管財人等から未払賃金の額等について証明書が交付されたら、立替払請求書及び退職所得の受給に関する申告書に必要事項を記入して機構に送付します。
なお、管財人等から未払賃金総額等の事項の全部又は一部について証明を受けられなかった場合は、その証明を受けられなかった事項について、所轄労働基準監督署長に確認申請をします。
以降の手続については(2)事実上の倒産の場合の手続と同じです。 |
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3. |
機構は、立替払の決定を行い、立替払請求人に対して立替払決定通知書を送付するとともに、指定された金融機関(ただし、漁業協同組合は利用できません。)に振り込みます。 |
|
|
|
| (2) |
事実上の倒産の場合の手続は次のとおりです。 |
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1. |
立替払請求人は、所轄労働基準監督署長に、当該事業場が事業活動を停止し、再開の見込みがなく、かつ、賃金支払能力がない状態にあることの認定の申請を行います。
認定申請書には、事業主の事業活動の状況等に関する事項を明らかにする資料を添付することとされています。
認定申請は、当該事業場を退職した立替払請求人が2人以上いる場合は、そのうちの1人が行えば足り、その効果はすべての退職労働者に及びます。また、認定申請は、当該事業場を退職した日の翌日から起算して6か月以内に行わなければなりません。 |
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2. |
所轄労働基準監督署長から認定通知書が交付されたら、立替払請求人は、未払賃金総額等必要事項について、所轄労働基準監督署長に確認申請を行います。
確認申請書には、労働契約書、賃金台帳の写し、出勤簿の写し等未払賃金額等を証明する資料があれば添付することとされています。 |
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3. |
所轄労働基準監督署長から確認通知書が交付されたら、立替払請求書及び退職所得の受給に関する申告書に必要事項を記入して機構に送付します。 |
|
4. |
機構は、立替払の決定を行い、立替払請求人に対して立替払決定通知書を送付するとともに、指定された金融機関(ただし、漁業協同組合は利用できません。)に振り込みます。 |
※未払賃金の立替払請求書・証明書、認定申請書、確認申請書は労働基準監督署にあります。また、未払賃金の立替払請求書・証明書はホームページからダウンロードすることもできます。
請求書の記入方法については、ホームページのII「立替払請求書・退職所得申告書の記入ナビ」を参考にして下さい。
○立替払金に対する課税は
立替払により弁済された賃金(退職金を含む)については、租税特別措置法により、原則として退職所得とされ課税されます。
ただし、退職所得については、次表のとおり、退職所得控除が認められています。
| 勤続年数 |
退職所得控除 |
| 20年以下の場合 |
40万円×勤続年数
(80万円に満たない場合には、80万円) |
| 20年を超える場合 |
800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
| ※ |
未払賃金の立替払を受ける方は、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」を支払者である機構に提出することにより控除が受けられます。
しかし、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」の提出がない場合には支払金額の20%相当額が源泉徴収されます。 |
○立替払後の処理(求償)は
立替払をしたときは、機構は立替払金に相当する金額について立替払を受けた労働者の賃金債権を代位取得します。
代位取得した賃金債権については、国の債権管理等に関する法律に準じ、次のとおり管理し、必要に応じ差押、仮差押、抵当権の設定又は民事訴訟の提起等を行い回収を図ります。
機構から立替払があったからといって、事業主は賃金支払義務を免れるものではありません。
| (1) |
法律上の倒産事案の場合 |
| 1 |
裁判所に対して |
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債権の届出又は債権者名義変更の届出 |
| 2 |
管財人、管理人又は清算人に対して |
|
賃金債権の代位取得通知又は賃金債権の代位取得通知及び弁済請求 |
| 3 |
再生債務者に対して |
|
未払賃金立替払の通知及び賃金債務の弁済請求 |
| (2) |
事実上の倒産の場合 |
|
事業主に対して、未払賃金立替払の通知及び賃金債務の弁済請求 |
上記手続は書面により、原則として立替払実施月の翌月に行います。
なお、当機構が代位取得した賃金請求権と労働者の賃金請求権は、その性質において同一ですので、弁済の際、弁済額が債権額に満たない場合は、それぞれの債権額に応じ按分による弁済となります。
※ 不正受給が行われた場合
偽りその他不正の行為により立替払金を得た場合、また、事業主が不正に加担し、偽りの報告又は証明をしたため立替払金が支払われた場合には、それら行為により立替払金を得た者、それに加担した者に対して刑事告発を行うこととなります。(※参考 刑法246条)
このほか、偽りその他不正の行為により立替払金を得た者、また、それに加担した事業主については、国から、支払われた金額の返還及びそれに相当する金額の納付が命じられることとなります。
※参考 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。 |
II 立替払請求書・退職所得申告書の記入ナビ
未払賃金立替払請求書の記入
お手元に「未払賃金の立替払請求書」をご用意ください。
それでは記入項目ごとに順に記入していきましょう。
この請求書を機構に発送する日を記入してください。
(この欄の記入を一番最後にしてもかまいませんが、記入を忘れないでください。)

| (1) |
フリガナは必ず記入してください。また、自筆による署名でない場合は、押印を忘れないでください。 |
| (2) |
普通預金口座名と同じフリガナで記入してください。氏名は戸籍上の氏名を記入してください。 |
該当する元号に○をして、西暦でなく元号年(<例:昭和>32<年等>)を記載してください。

| (1) |
現在居住している住所を記入してください。また、郵便番号を忘れずに記入してください。 |
| (2) |
住所は番地まで正確に書いてください。また、団地、アパート、マンション、社宅、宿舎の場合はその名称、棟、号室を必ず記入してください。 |
| (3) |
電話番号は、据付の電話番号のほか、携帯電話をお持ちの場合はその番号も記入してください。 |
| (1) |
請求書の右側にある「証明書」又は「確認通知書」の「未払賃金の立替払額の計算」欄の右側に記載されている「未払賃金の立替払額」を記入してください。よくある誤りとして左側の「未払賃金総額又は限度額」を書いて請求される場合がありますが、この場合は、一度請求者に請求書を戻し、書き直していただくことになるため、その分支払が遅れてしまうことがありますので、注意してください。 |
| (2) |
請求金額の桁を間違えないにように注意してください。請求金額に空欄があるときには直前の空欄に¥マークを記入してください。 |
| 6 次ぎに「立替払金振込先金融機関」を記入します。 |
| (1) |
必ず請求者本人名義の普通預金口座を記入してください。(請求者本人以外の口座には振り込むことができません。) |
| (2) |
請求者本人の普通預金通帳を確かめて、金融機関名、支店名、支店番号、口座番号を間違えないよう左詰で記入してください。特に支店名は、町名や、通称名ではなく正規の名称を記入してください。 |
| (3) |
ゆうちょ銀行に振込を希望する方は、現在お持ちのゆうちょ銀行の記号・番号では振込むことができません。振込用の店名、店番、口座番号を記入してください。また、預金通帳の写し(振込用の店名、店番、口座番号が印字されている部分)を添付してください。 |
| (4) |
外国籍の方は、預金通帳の写し(振込用の店名、店番、口座番号が印字されている部分)を添付してください。 |
以上で未払賃金の立替払請求書の記載は終わりました。
次に退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書を記入します。
「退職所得申告書」はその名称から、申告を要するのは退職金等にかかる立替払のみであり、定期賃金に係る請求は申告不要と誤解されがちですが、立替払により弁済された賃金(定期賃金及び退職手当)については、租税特別措置法第29条により、原則として退職所得とみなされ、退職所得控除が認められています。
したがって、立替払を受ける者は、「退職所得申告書」を立替払金の支払者である機構に提出しなければなりません。立替払金は、この申告書に必要事項を記入することで税法上「退職所得」として有利に取り扱われ、多くの場合は非課税となりますが、この申告書に記載がない場合は支払金額の20%相当額が退職所得にかかる源泉徴収額となりますので、退職手当の未払がない場合でも必ず記入してください。
なお、退職した年に他の退職手当等を受けられた方は税務署に備え付けの「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」<
国税庁ホームページ>で申告してください。その際は、支払者から交付された退職所得の源泉徴収票(写し)を添付してください。
それでは、順次記入していきましょう。
| (1) |
「 年分」欄には請求者が退職した年を記入します。例えば、平成20年1月に退職した場合は20と記入します。 |
|
|
| (2) |
請求者の氏名を記入し、押印も忘れずにしてください。 |
| 2 次ぎに「退職した年の1月1日現在の住所」を記入します。 |
請求人が当該会社を退職した年の1月1日時点の住所を記入してください。
例えば、退職した年が平成20年であれば、20年1月1日時点における住所(住民登録された住所)ということになります。
請求者が当該会社を退職した年月日を記入してください。なお、退職日は証明書又は確認通知書の「基準退職日」欄に書かれている年月日と基本的には同一となります。証明書又は確認通知書で確認のうえ記入してください。
請求者が当該会社に入社してから退職するまでの期間を記入してください。
なお、自(入社年月日)・至(退職年月日)は、証明書又は確認通知書の「雇入年月日」・「基準退職日」欄に書かれている年月日と同一になります。証明書又は確認通知書で確認のうえ記入してください。
また、勤務年数に1年未満の端数がある場合は切り上げて記入してください。例えば勤務期間が10年と15日であった場合には11年となります。
| 5 次ぎに「障害になったことにより退職した事実の有無」を記入します。 |
倒産等により退職されているため無に○してください。
| 6 外国人等の非居住者の場合は、国籍名及び入国年月日を記入します。 |
外国人等の非居住者の方(日本国内に住所も居所も有しない人又は日本国内に住所がなく、かつ、日本国内に引き続き居所を有している期間が1年に満たない人)の場合は、所得税法及び租税条約に基づく課税となりますので「国籍名」及び「入国年月日」を記入してください。
また、入国年月日を確認するために
パスポート(写)(本人氏名欄と直近の上陸許可等日本に在留したことが記載されている部分)か
外国人登録書(写)(両面)を添付してください。
以上で「請求書」と「退職所得申告書」の記入が全て終了しました。記入漏れがないかもう一度確認してください。請求年月日を記入していない方は記入してください。
押印漏れや、金融機関の口座番号の誤り、退職所得受給に関する申告書の記入漏れなどがありますと、支払が遅れることとなってしまいますので十分注意して下さい。
また、記入を間違えたときは、間違えた字句の上に2本の線を引いて消し、その個所に訂正印を押してください。
「請求書」と「退職所得申告書」の再確認が終わりましたら下記あてお送りください。
| 〒 |
212-0013 |
|
神奈川県川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエアビル東館17階
独立行政法人 労働者健康福祉機構 賃金援護部審査課 |
「立替払請求書」に記載した住所、氏名、振込先金融機関、口座番号を変更した場合の手続について
| (1) |
住所、振込先金融機関、口座番号を変更した場合
様式 変更届に記入し、提出してください。
近く引っ越しを予定している場合は、引っ越し後速やかに変更届を機構まで提出してください。また、念のため郵便局に転居届を提出しておいてください。 |
|
|
| (2) |
婚姻等により請求人氏名を変更した場合
様式 変更届に記入し、提出してください。
婚姻等によって、「氏」が変わっているときは、戸籍謄本又は抄本を1部添付してください。 |
|
|
| (3) |
退職労働者が死亡した場合
様式 変更届に記入し、提出してください。
退職労働者が死亡されているときは相続人が請求者となります。請求にあたっては代表者選任届と戸籍謄本や死亡診断書等も提出いただきます。詳しくは機構にお問合わせください。 |
|
III 証明書の記入要領(破産管財人等用)
IV 破産管財人の皆様へ
(未払賃金立替払の証明に当たってのお願い)
V 未払賃金立替払に関するQ&A
| (注) |
賃確法:賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号) |
|
賃確令:賃金の支払の確保等に関する法律施行令(昭和51年政令第169号) |
|
賃確則:賃金の支払の確保等に関する法律施行規則(昭和51年労働省令第26号) |
1 未払賃金立替払の要件
| Q1-1 |
| 倒産した会社が労災保険に未加入であったり、保険料を納めていない場合でも立替払を受けられますか? |
| A |
加入手続の有無、保険料納付の有無を問わず、未払賃金の立替払を受けることができます。
未払賃金立替払制度が適用となる企業は、労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業として1年以上にわたって事業活動を行ってきた企業です。
この「労災保険の適用事業」とは、農林水産業の一部を除いて労働者を使用するすべての事業のことをいい、加入の有無、保険料納付の有無は問いません。 |
| Q1-2 |
| 立替払制度の対象となる倒産とは、どのような場合ですか。 |
| A |
立替払制度の対象となる倒産とは、次の場合をいいます。
|
| 1 |
法律上の倒産
【1】 破産手続開始の決定を受けた場合
【2】 特別清算開始の命令を受けた場合
【3】 再生手続開始の決定があった場合
【4】 更生手続開始の決定があった場合
|
| 2 |
中小企業における事実上の倒産
事業活動に著しい支障を生じたことにより労働者に賃金を支払えない状態になったことについて、所轄労働基準監督署長の認定があった場合 |
| Q1-3 |
| 事実上の倒産とは、どういう場合をいうのですか。 |
| A |
中小事業主について破産等の法的な手続はとられていない場合に、事業活動に著しい支障を生じたことにより 労働者に賃金を支払えない状態になったことについて所轄労働基準監督署長の認定があった場合をいいます(賃確法第7条、賃確令第2条第1項第4号)。
具体的には、
【1】 事業活動が停止し、
【2】 再開する見込みがなく、
【3】 賃金支払い能力がない状態
になったことをいいます(賃確則第8条)。 |
| Q1-4 |
| 事業活動が停止して社長が行方不明となっています。法的な倒産手続はとられていませんが、未払となっている賃金の立替払を受けられますか。 |
| A |
社長が行方不明になっていて法的な倒産手続がなされていない場合でも、 所轄労働基準監督署長から事実上の倒産に当たると認定されたときには、立替払を受けることができます。
手続については、法律上の倒産(破産等)の場合と異なるところがありますので、まず最寄の労働基準監督署に御相談ください。 |
| Q1-5 |
| 会社が営業を続けている場合は、未払賃金立替払制度の対象にはならないのでしょうか。 |
| A |
民事再生手続等立替払制度の対象となる倒産である場合には、立替払が行われます。
未払賃金立替払制度は、会社が倒産した場合に事業主に代わって立替払をする制度ですが、 この「倒産」には、破産や事実上の倒産など事業活動が停止状態となっている場合と、 民事再生手続などのように事業活動が継続している場合とがあります。
したがって、営業を続けている場合でも上記の「倒産」に該当するときには、立替払制度の対象となります。
まずは、給料の未払について、所轄の労働基準監督署に相談されてはいかがでしょうか。 |
| Q1-6 |
| 会社が倒産する前に自己都合により退職しました。未払賃金があるのですが、立替払制度の対象になりますか。 |
| A |
立替払の対象となる退職は、「破産手続開始等の申立日又は倒産の事実についての認定申請日」の6か月前の日から2年の間の退職です。 倒産前の退職であっても、この期間内であれば対象となります。
また、退職事由については、自己都合であるか、事業主都合(解雇)であるかは問いません。 |
| Q1-7 |
| 外国人、パートタイマー、アルバイトの労働者は未払賃金制度の対象となるのですか。 |
| A |
外国人であっても、また、パートタイマーやアルバイトとして働いていた方であっても、労災保険の適用事業場に雇われて賃金を得ていた労働者であれば、国籍、雇用形態等を問わず未払賃金の立替払事業の対象となります。 |
| A |
労災保険適用事業に雇用される労働者であれば未払賃金立替払制度の対象となりますが、 この「労働者」とは、労働基準法に規定する労働者のことをいいます。
したがって、会社役員の労働者性についての考え方も労働基準法の考え方と同様となり、 代表者又は執行機関のような事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は対象とならないと考えられますが、 役員といえども、業務執行権、代表権を持たず、それらを有する役員の指揮監督を受けて労働し、 かつ、その対償として賃金を得ているような場合には、対象となる場合があると考えられます。 |
| Q1-9 |
| 労働基準監督署長による事実上の倒産の認定が受けられるのは中小企業だけとされていますが、この「中小企業」とはどの範囲をいうのですか。 |
| A |
立替払制度の対象となる中小企業事業主の範囲は、中小企業基本法に規定する中小企業者の範囲と同様であり、 業種別の資本の額及び使用する労働者数により次のとおりとなっています。
| 業種 |
中小企業事業主の範囲 |
一般産業
(卸売、サービス、小売業を除く) |
資本金3億円以下
又は労働者300人以下 |
| 卸売業 |
資本金1億円以下
又は労働者100人以下 |
| サービス業 |
資本金5千万円以下
又は労働者100人以下 |
| 小売業 |
資本金5千万以下
又は労働者50人以下 |
|
| Q1-10 |
| 勤務先の事業場は建設業の下請負人で、労災保険料の支払は「建設業の一括」として元請負人が行っていますが、 このような場合でも労災保険の適用事業場として未払賃金立替払制度の対象となるのですか。 |
| A |
下請負人である事業主が倒産した場合にも、立替払の対象となります。
建設業の事業が数次の請負によって行われる場合には、いわゆる「建設業の一括」として、その事業を一の事業とみなし、 元請負人のみを労働保険の適用事業主としています(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第8条)。
しかし、未払賃金立替払事業においては、このような場合でも、個々の事業について上記法令の適用がないものとした事業単位で 労災保険の適用事業であるかどうか判断することとしています(賃確法第7条)。
したがって、下請負人である事業主が倒産した場合にも立替払事業の対象となります。 |
2 立替払される賃金の範囲、立替払額の計算
| Q2-1 |
| 立替払の対象となる賃金は、どの範囲のものですか。 |
| A |
立替払の対象となる未払賃金は、退職日の6か月前の日から労働者健康福祉機構(機構)に対する立替払請求の日の前日までに 支払期日が到来している「定期賃金」と「退職手当」(で未払となっているもの)です。 |
|
【1】 |
定期賃金
労働基準法第24条第2項に規定する、毎月、一定期日に、決まって支払われる賃金をいいます。 |
|
【2】 |
退職手当
退職手当規程等に基づいて支給される退職一時金及び退職年金をいいます。 |
| A |
ボーナスは、立替払の対象とはなりません。
事業主から支払われた給付であっても、
|
|
【1】 |
そもそも賃金ではないもの
例えば、慰労金や祝金名目の恩恵的又は福利厚生上の給付、実費弁償としての旅費や用品代、解雇予告手当等
|
|
【2】 |
定期賃金又は退職手当以外の賃金
賞与、臨時の賃金等
|
|
は、立替払の対象となりません。 |
| Q2-3 |
| 会社から貸付を受け、毎月の給料から一定の返済額を控除されていますが、この返済額については未払賃金総額から控除されることになるのですか。 |
| A |
立替払金総額から控除します。
立替払の対象となる未払賃金総額は、税、社会保険料、その他控除金を控除する前の額とされています。
ただし、その他の控除金のうち、事業主の債権に基づき賃金から控除が予定されているもの(社宅料、会社製品の購入代金、 貸付金返済金等)については、控除します。
 |
| Q2-4 |
| 未払賃金が少額の場合でも全額立替払してもらえるのですか。 |
| A |
未払賃金総額が2万円未満の場合には、未払賃金立替払制度の対象とはなりません。 |
| Q2-5 |
| 月給制の労働者が賃金計算期間の途中で退職した場合には、未払賃金総額はどのように計算するのですか。 |
| A |
月給制(完全月給制を含む)の労働者であって、賃金計算期間の途中で退職した場合には、出勤日数に応じて日割りで賃金を計算することになります。
日割計算の方法については、就業規則等で具体的に定められている場合はそれに基づき計算しますが、そうでない場合には所定労働日数を用いて計算します。
なお、所定労働日数が月によって異なる場合は、1年間の平均所定労働日数を用います。
 |
| Q2-6 |
| 立替払される額は、どのように計算するのですか。限度額があるのですか。 |
| A |
立替払の額は、未払賃金総額の8割です。ただし、未払賃金総額には、退職日の年齢による限度額があります。
 |
|
【未払賃金総額の限度額】
| 退職日の年齢 |
未払賃金総額の
限度額 |
立替払の上限額
(限度額の8割) |
| 45歳以上 |
370万円 |
296万円 |
| 30歳以上45歳未満 |
220万円 |
176万円 |
| 30歳未満 |
110万円 |
88万円 |
〔設例1〕
退職時の年齢が33歳で、未払賃金が200万円(定期賃金が80万円、退職金が120万円)ある場合
→30歳以上45歳未満の限度額220万円を超えていないので、
立替払額=200万円×0.8=160万円
〔設例2〕
退職時の年齢が46歳で、未払賃金が420万円(定期賃金が120万円、退職金が300万円)ある場合
→45歳以上の限度額370万円を超えているので、
立替払額=370万円×0.8=296万円 |
| Q2-7 |
| 事業主が、企業外拠出の退職金制度に加入していましたが、掛金が一部未納であったため満額を受け取ることができません。差額は未払賃金となるのですか。 |
| A |
1 |
退職手当については、事業主が労働者に対して退職手当を支払うべきことが労働協約、就業規則(賃金規程)等で 具体的に明らかにされているときに未払賃金の対象となります。
したがって、本件のようなケースでは、当該差額分又は差額分を含めた退職手当を支払うことが就業規則等で明確になっているときは 未払賃金となりますが、そうでない場合には、賃金請求権を有するとはいえず、立替払制度の対象とはなりません
|
|
2 |
なお、一般的には、退職手当の全部又は一部の支払方法として、適格退職年金制度、中小企業退職金共済制度等の企業外拠出の 退職手当制度を採用している場合も多いと思われます。
例えば、賃金規程において、「退職一時金の支給額は、勤続年数に応じて別表のとおりとする。 ただし、適格退職年金制度から給付金が支払われるときは、当該給付金額を控除した額を支給する」と規定されているような場合です。
この場合は、金融機関等から支払われた額については賃金請求権が消滅することとなりますので、その額を控除した額が未払退職手当となります。 |
|
 |
| Q2-8 |
| 未払の所定賃金額が最低賃金額未満となっていますが、このような場合でも契約で定めた額しか立替払してもらえないのですか。 |
| A |
未払の所定賃金額が最低賃金額に満たない場合は、最低賃金の適用除外の許可があるときを除き、最低賃金額を基礎として未払賃金の額を算定します。 |
3 立替払の手続
| Q3-1 |
| 法律上の倒産の場合の立替払請求手続を教えてください。 |
| A |
法律上の倒産の場合に立替払金を請求する手続は、概略次のとおりとなっています。
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1 |
証明書の交付
破産管財人等この制度で定められている証明者又は裁判所から、未払賃金総額等を証明する「証明書」 (未払賃金の立替払事業様式第7号)の交付を受けます。
証明者は、破産等の区分に応じて次のとおりとなっています。 |
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| 破産等の区分 |
証明者 |
| 破産、会社更生 |
管財人 |
| 特別清算 |
清算人 |
| 民事再生 |
再生債務者等 |
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2 |
立替払金の請求
未払賃金の額等について証明者から証明書が交付されたら、立替払請求書に必要事項を記入して機構に送付します。
証明書様式では、右側が証明書、左側が請求書になっていますので、切り離さないで請求書に必要事項を記入し、送ってください。
なお、控えがありませんので、立替払請求金額、立替払金の振込先金融機関・支店名・口座番号などは書き留めておくとよいでしょう。
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| Q3-2 |
| 破産管財人が未払賃金の一部を認めず、証明してくれません。どうすればいいのでしょうか。 |
| A |
破産の場合のように「法律上の倒産」に当たる場合には、原則として破産管財人等の証明書を添付して 未払賃金立替払の請求をすることになります。 したがって、破産管財人等の証明内容に疑義があるときは、まず、証明書を作成した破産管財人等にご相談していただくのがよいでしょう。
その上で、立替払請求に必要な事項の全部又は一部について破産管財人等から証明が得られない場合には、 証明者から交付された証明書等を持参して労働基準監督署に相談してください。 その内容によっては、労働基準監督署長の確認を受けることができる場合があります。 |
| Q3-3 |
| 破産管財人が証明した未払賃金額に誤りがありますが、どうすればいいのでしょうか。 |
| A |
破産管財人に連絡し、訂正を求めてください。
法律上の倒産の場合の未払賃金額等必要事項の証明は、管財人等が行うこととされています。 自分で訂正することなく、破産管財人等に説明し、訂正を求めてください。
なお、破産管財人が訂正をしないときは、会社を管轄する労働基準監督署長に相談してください。 |
| Q3-4 |
| 事実上の倒産の場合の手続はどうすればいいのですか。 |
| A |
事実上の倒産の場合の手続は、概略次のようなものです。詳しくは労働基準監督署にお尋ねください。
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1 |
所轄労働基準監督署長の認定
事業主について、労働基準監督署長による事実上の倒産(事業活動が停止し、再開の見込みがなく、 かつ賃金支払能力がない状態にあること)の認定を受けます。
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イ |
認定の申請をしようとする場合は、所定の事項を記載した認定申請書(未払賃金の立替払事業様式第1号)を、 退職事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して、その事業主の住所地(本社の所在地)を管轄する労働基準監督署長に提出します。 この申請に基づき、当該事業場のみではなく事業の全体について、事業活動に著しい支障を生じたことにより 労働者に賃金を支払えない状態になっているかどうかを判断する手続が、事実上の倒産に係る認定手続ということになります。
このため、1人の退職労働者が1回申請し、認定を受ければ足りる(その効果はすべての退職労働者に及ぶ)ものですが、 退職労働者の申請がない場合に職権で認定が行われることはありません。
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ロ |
事実上の倒産に係る認定の申請は、退職日の翌日から起算して6か月以内に行わなければなりません(賃確則第9条第4項)。
申請書には、事業主の事業活動の状況等に関する事項を明らかにする資料があれば添付することとされています。
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ハ |
労働基準監督署長は、認定又は不認定の決定を行い、 その内容を明らかにした通知書を申請者に交付することとされています(賃確則第11条)。
この決定は、行政庁の処分に当たるものです。
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2 |
未払賃金総額等の確認
労働基準監督署長から認定通知書が交付されたら、次に、未払賃金の立替払を受けようとする労働者ごとに、 未払賃金総額等について、所轄労働基準監督署長の確認を受けます。
確認申請書(未払賃金の立替払様式第4号)の提出に当たっても、証明資料があれば添付することとされています。
確認に関する処分についても、労働基準監督署長はその内容を明らかにした通知書を申請者に交付することとされています(賃確則第15条)。
この確認に関する処分も、行政庁の処分に当たります。
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3 |
立替払金の請求
未払賃金の額等について所轄労働基準監督署長から確認通知書が交付されたら、立替払請求書に必要事項を記入し、 確認通知書を切り離さず機構に御送付ください。
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・認定申請書及び確認申請書の用紙については、最寄の労働基準監督署に備えてあります。また、「電子政府の総合窓口」(URL http://www.e-gov.go.jp )では、 「事実上の倒産認定申請」、「未払賃金額等の確認申請」等について手続説明があり、申請用紙もダウンロードできます。 |
| Q3-5 |
| 事実上の倒産の認定の申請は、立替払を受けようとする労働者の全員で行わなければならないのですか。 |
| A |
全員で行う必要はありません。
事実上の倒産に係る認定申請は、事業の全体について事業活動に著しい支障を生じたことにより 労働者に賃金を支払えない状態になっているかどうかを判断する手続であり、1人の退職労働者が1回申請し、 認定を受けると、その効果はすべての退職者に及ぶものとされています。 |
| Q3-6 |
| 事実上の倒産の認定の申請や確認の申請は、いつまでに行わなければならないと決まっているのですか。 |
| A |
1 |
事実上の倒産の認定の申請
事実上の倒産の認定申請は、退職日の翌日から起算して6か月以内に行わなければならない(賃確則第9条第4項)とされています。
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2 |
未払賃金総額等の確認の申請
事実上の倒産に関する未払賃金総額等の確認の申請は、認定後であればいつでも行うことができますが、機構に対する立替払の請求は認定の日の翌日から起算して 2年以内に行わなければならない(賃確則第17条第3項)とされていますので、確認申請はそれ以前に行われる必要があります。 |
| Q3-7 |
| 立替払の支給を受けた後に、新たに未払賃金があることが判明した場合には、どうしたらいいのですか。 |
| A |
所定の要件(請求期限、限度額等)を満たす場合には、第1回目の請求を補完する範囲内で更に立替払を受けることができます。
法律上の倒産の場合は破産管財人等から証明書の、事実上の倒産の場合は労働基準監督署長からの確認通知書の交付を受けて、 機構に請求することとなりますので、未払賃金の額の確認ができる資料等を用意して証明又は確認の手続を行ってください。 |
| Q3-8 |
| 立替払請求書に記入した住所、金融機関(支店名、口座番号等)を変更したいのですが、どうしたらいいのですか。 |
| A |
既にお送りいただいた立替払請求書に記入した住所、金融機関の支店名、口座番号等を変更したい場合は、 できるだけ早く機構に葉書又は封書でご連絡ください。 特に様式は定まっていませんが、機構のホームページに変更届が掲載されていますのでそれを参考にして下さい。
なお、婚姻等に伴う氏名の変更についても上記に準じますが、この場合には、戸籍謄本又は戸籍抄本の写しを添付して下さい。 |
| Q3-9 |
| ゆうちょ銀行(郵便局)を振込先に指定することができますか。 |
| A |
平成21年1月5日から、ゆうちょ銀行(郵便局)も未払賃金立替払金の振込先金融機関に指定することができるようになりました。
ゆうちょ銀行(郵便局)に振込を希望される方は、振込用の店名・店番・口座番号が必要となります。
現在お持ちのゆうちょ銀行の記号・番号ではお振込ができませんのでご注意ください。
なお、振込用の店名・店番・口座番号については、ゆうちょ銀行(ゆうちょ振込お問合せセンター 0120-253811)へお問合せください。
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| Q3-10 |
| 請求人名以外の口座を振込先に指定することができますか。 |
| A |
請求人本人以外の口座を振込先に指定することはできません。 |
| Q3-11 |
| 退職労働者が死亡した場合は、立替払の請求はできなくなるのですか。 |
| A |
相続人が、相続人の名で機構に対して請求することができます。
この場合、証明書の退職労働者欄には亡くなられた労働者のお名前等を、 請求書の請求者欄には相続人のお名前を記載していただく等となりますので、詳細は機構にお問い合わせください。
なお、相続人が複数いる場合には、代表者を選任して代表者が請求手続を行ってください。 代表者選任届は労働基準監督署にあります。また、機構のホームページからもダウンロードできます。
おって、請求に必要な書類は、次のとおりです。
【1】 立替払請求書及び証明書又は確認書
【2】 当該労働者の死亡が明らかとなる書類(死亡診断書の写し等)
【3】 相続人であることが明らかとなる書類(戸籍謄本の写し等)
【4】 相続人が複数いる場合には、代表者選任届 |
4 立替払金の税務
| A |
労働者が未払賃金立替払制度により弁済を受けた額は、定期賃金分、退職手当分を問わず原則としてすべて退職所得として課税されます (租税特別措置法第29条の6)。
もっとも、退職所得控除が認められることにより、申告すれば実質的に非課税となる場合が多いものと思われます。 |
| Q4-2 |
| 立替払金は定期賃金のみですが、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」は、記入しなければならないのでしょうか。 |
| A |
1 |
労働者が未払賃金立替払制度により弁済を受けた額は、定期賃金分、退職手当分を問わず 原則としてすべて退職所得となります(租税特別措置法第29条の6)。
退職年に他に退職手当等の支払を受けていない方は「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に必ず記入し、押印して下さい。 申告することにより、次表のように退職所得控除が認められ、 多くの場合非課税となります。記入がない場合は、支払金額の20%相当額を源泉徴収することとなります。
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2 |
また、退職した年又は退職した年の前年以前4年間に勤労者退職金共済機構や保険会社などから退職手当の支給を受けた場合には、 1のような簡易な方式によることはできず、税務署に備えてある「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に記入のうえ押印し、 支払者が交付した「退職所得の源泉徴収票」(写し)を添付して、請求書と一緒に提出していただくこととなります。 この場合も、申告書の提出がない場合は、支払金額の20%相当額を源泉徴収することとなります。
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【(参考)退職所得の控除額】
| 勤続年数 |
退職所得控除額 |
| 20年以下の場合 |
40万×勤続年数
(80万円に満たない場合には80万) |
| 20年を超える場合 |
800万+70万円×(勤続年数-20年) |
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| Q4-3 |
| 勤労者退職金共済機構から別途退職金の支給を受けた場合には、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に記入すればいいのですか。 |
| A |
退職した年又は退職した年の前年以前4年間に勤労者退職金共済機構や保険会社などから退職手当の支給を受けた場合には、 未払賃金の立替払請求書の下部に印刷された「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」ではなく、 税務署に備えてある正規の申告書(「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」)を作成し、 未払賃金の立替払請求書と共に機構に提出して下さい。申告書には、支払者が交付した「退職所得の源泉徴収票」(写し)を添付してください。 |
5 立替払金の支払
| Q5-1 |
| 立替払金の振込はどのように行われるのですか。別に通知があるのですか。 |
| A |
立替払金はご本人指定の口座に振り込みますが、振り込む前に、必ず「支払通知書」により、立替払額、振込日等をご本人に通知します。
なお、支払通知書記載の日に立替払金は振り込まれますが、当日の振替事務に時間を要する(振込が昼頃となる)場合がありますので、 入金の確認にはご留意ください。 |
| Q5-2 |
| 立替払請求書を機構に送りましたが、支払われるまでの期間としてどのぐらいを見込んだらいいのでしょうか。 |
| A |
立替払金の支払については、請求書に記入漏れや記入誤りなどがなければ、 請求書を受け付けてから30日以内にお支払いするように努めています。
しかしながら、記載内容の補正や提出書類の追加などが必要な場合は、それ以上の時間がかかることもあります。
立替払請求書を送付してから1か月半以上経過しても支払通知書が届かない場合には、お問い合わせ下さい。 |
| Q5-3 |
| 退職労働者が立替払を受けた場合、事業主との間の関係はどのようになるのですか。 |
| A |
機構が立替払をすることにより、機構は、労働者に代わって賃金請求権を取得することになり、 その部分については労働者に代わって事業主に求償することになります。
未払賃金の立替払制度は、特別の法律により機構が「第三者の弁済」を行うこととした制度で、機構は労働者の承諾を得て労働者が 事業主に対して有する債権を代位取得します。
そして、機構は事業主に対する弁済の請求や、倒産手続への参加、差押え等により、事業主から回収に努めることとなります。
これが「立替払制度」といわれるゆえんであり、機構から立替払があったからといって、事業主は賃金支払義務を免れるものではありません。 |
6 その他
| Q6-1 |
| 不正に立替払金を得た場合には、どうなるのですか。 |
| A |
偽りその他不正の行為により立替払金を得た場合には、国から返還が命じられたり、さらに同額以下の金額の納付が命じられることとなります。 また、事業主が偽りの証明や報告をしたために立替払金が支払われたときは、事業主も連帯して返還又は納付が命じられることとなります。 この手続は機構が行うのではなく、国が行政処分として行います。
また、必要な場合には、刑事告発も行われます。 |
| Q6-2 |
| 給料の遅配が続いていて、倒産の噂もあります。 倒産した場合には未払賃金立替払制度で救済を受けられると聞きましたが、事前に用意しておいたほうがいいということがあったら教えてください |
| A |
未払賃金の立替払手続に当たっては、証明者や労働基準監督署から未払期間中の出勤状況や過去の賃金支払の状況に関する 資料の提出を求められることが多いので、出来るだけ次のような資料を保存しておくと良いでしょう。
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【1】 |
出勤状況がわかる資料(出勤簿やタイムカードの控え、手帳に労働日、労働時間をメモする等)
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【2】 |
過去の賃金支払状況がわかる資料(過去の給与明細、給与の入金控え等)
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【3】 |
賃金の計算方法に関する資料(労働契約を締結したときの賃金に関する書面、社員手帳の就業規則等) |
| Q6-3 |
| 未払賃金についての相談や問合せは、どこにすればよいのですか。 |
| A |
未払賃金立替払についての相談やお問合せについては、最寄の労働基準監督署又は労働者健康福祉機構でお受けしております。
◎ 労働者健康福祉機構 賃金援護部 審査課 立替払相談コーナー
電話相談窓口 : 044―556-9881
相談受付時間 : 月~金 9時15分~17時
(土曜、日曜、祝日休み)
(電子メール、ファックス、郵便による相談はお受けしていません)
神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
ソリッドスクエアビル東館 17階
なお、個人の具体的な立替払請求に関するお問合せは、原則として御本人からのみに限らせていただいております。
また、相談内容により、生年月日、電話番号などの本人確認をお願いする場合があります。 |
◎ 全国の労働基準監督署の所在地案内
(厚生労働省ホームページ・都道府県別)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html |
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