産業保健とは

~労働者の健康問題の多様化・深刻化等~
   一般定期健康診断の有所見率が年々増加し、平成20年には5割を超えるとともに、仕事や就業生活に強い不安・ストレスを感じる割合も焼く6割を占める等、労働者の健康に関する基礎的な指標は悪化しています。また、過労死、過労自殺に関連する指標としての脳・心臓疾患に係る労災認定件数、精神障害等に係る労災形態の多様化に伴い、近年増加している労働派遣者、パートタイム労働者の非正規労働者については、正規労働者と比べ職場の健康管理面でより問題を抱えているという指摘もなされています。

労働者の健康問題に関するグラフ

事業主の皆様へ~経営における産業保健の重要性~
   企業では事業活動を通じて多くの付加価値を生み出していますが、その付加価値の源泉は「人材」であり、「健康で安心して働ける職場づくり」、即ち、「産業保健」が企業発展の基盤となります。逆に、産業保健を軽視し、過労死、過労自殺等の問題が起これば、莫大な損害賠償責任の追及という経営上の重要なリスクにもつながりかねません。したがって、企業における産業保健部門や産業保健活動を削減すべきコストとして捉えるのではなく、新たな付加価値の創造や生産性向上に直結する将来に向けた重要な投資として位置づけ、積極的に産業保健に取り組むことが求められています。
  全国47都道府県の産業保健推進センターでは、経験豊富な専門スタッフが産業医、衛生管理者、産業看護職、人事労務担当者等の産業保健関係者の皆様に、相談、研修、情報提供等の支援を原則として無料で行っています。
  また、事業主の皆様を対象に、企業経営の観点から見た産業保健の課題と対策等に関するセミナーを開催しています。

産業保健推進センターの活動イメージ図

産業保健推進センターの提供する各種支援サービス

相談
研修
情報の提供
事業主セミナー
地域産業保健推進センターへの支援
調査研究
助成金の支給(経過措置)

相談
   事業場の抱えている産業保健の様々な問題について経験豊富な各分野の専門スタッフが具体的な解決方法を助言します。ご相談は、窓口、または電話・Eメール等で随時お受けします。
   相談内容についての秘密は厳守しますので、安心してご相談ください。

担当分野 具体的事例
産業医学 健康診断後の就業上の措置、長時間労働者の面接指導、職場巡視の方法
労働衛生工学 職場の有害要因のリスク評価、作業環境の改善方法
メンタルヘルス 職場のメンタルヘルス対策の進め方、職場復帰の進め方
法令 労働安全衛生法、労働基準法等の適用・解釈
カウンセリング 職場におけるカウンセリングの進め方
保健指導 勤務形態等に配慮した生活指導の方法

利用者の声
◎メンタルヘルス不調者の職場復帰プログラムの作成方法の具体策を示していただき、実際に職場復帰させることが出来た。
◎長時間労働者に対する面接指導について、チェックリストの使用方法を判りやすく説明いただき、今後活用していきたい。
◎揮発性物質、有機化合物の人体に及ぼす影響、事業場の対策、想定されるリスク等について、関係法令および参考文献等の紹介を含め詳細に助言していただき、職場環境の改善につながった。
◎新型インフルエンザに対する消毒薬情報および職場での注意点について教えていただき、早速事業場内で大作を実施している。
◎既住歴、勤務内容、家族状況に応じた食事について、ていねいに教えていただき、それぞれの社員の状況に応じた生活・栄養指導をすることができるようになった。
◎衛星委員会の運営方法について、関係法令と職場にあった運営方法をわかりやすく説明していただいた。

研修
   産業保健の実務的能力をスキルアップするための専門的・実践的研修を実施しています。産業医、衛生管理者、産業看護職、人事労務担当者等の対象者別コースがあります。
<研修テーマ例>
職場におけるメンタルヘルス対策の進め方
過重労働による健康障害防止対策の進め方
健康診断後の就業上の措置と具体的事例
職場巡視のポイントと巡視結果の活用方法
有害物質取り扱い作業のリスクアセスメントと改善対策の方法
石綿による健康障害の防止対策の進め方

利用者の声
○職場におけるメンタルヘルス対策について労災認定事例を交えた討議形式の研修に参加し、理解を深めることが出来た。
○職場巡視の実際とその活用のポイントを習得することができ、職務に活かすことができた。
○測定機器の使用方法を実習することができ、現場の実務に活かすことができた。
○「企業の安全配慮義務にかかる判例」の研修は具体的事例が多く大変参考になった。万が一労働災害が発生したら事業者には様々な責任があることがわかったので、目に見えない健康問題については特に配慮していきたい。
○職場のインフルエンザ対策の取り組みについて、具体例を学ぶことができ、大いに参考になった。

情報の提供
産業保健21  各産業保健推進センターでは、ホームページ、メールマガジン、「産業保健21」(全国情報)、産業保健かわら版(地域情報)等を通じて産業保健に関する有用な情報を提供しています。
  産業保健に関するトピックス、イベント等の最新情報の配信を希望される方は、各産業保健推進センターのメールマガジンの登録を行ってください。
  情報提供サービスの詳細は、各産業保健推進センターのホームページ(労働者健康福祉機構本部のホームページからのリンク有り)をご覧ください。
  また、産業保健に関する図書の貸出、ビデオの閲覧も行っています。

事業主セミナー
  事業主又はこれに準じる管理責任者を対象として、企業経営の観点から見た産業保健の課題と対策等に関する事業主セミナーを開催しています。

地域産業保健推進センターへの支援
  労働者50人未満の小規模事業場を対象に産業医に代わって、健康相談等を実施している地域産業保健センターに対して、スタッフに対する研修、情報提供等の支援を行っています。地域産業保健センターの健康相談窓口等については、都道府県労働局又は労働基準監督署にお問い合わせ下さい。

産業保健推進センターの役割

調査研究
  産業保健活動の活性化に役立つ調査研究を実施し、その結果を公表するほか、産業保健推進センターの研修などでの活用を図っています。

<具体例・活用例>
◎アスベスト除去作業に従事する労働者のマスクが正しく装着されていないことが実態調査で明らかになったので、研修会でマスク装着の問題点の説明と装着方法の実習を行った。
◎化学物質管理状況について実態調査を行ったところ、GHSを取り入れた「化学物質取り扱いマニュアル」の必要性が認められたので、イラスト入りのわかりやすい作業者向けのポスターを作成し研修会の教材として用いるとともに、関係機関に利用勧奨した。
◎正規労働者と労働派遣者等の非正規労働者の健康管理の状況について、実態調査を行ったところ、健康診断の実施率、衛生委員会への参加状況等に差異が認められたので、研修会で調査結果を紹介するとともに、関係法令にのっとった適正な健康管理を教育した。

産業保健推進センターの提供する支援サービスの効果
  産業保健推進センターが提供している相談、研修等の支援サービスについて、利用者にアンケート調査を行ったところ、産業保健関係者の能力向上(第1次効果)、事業場内の産業保健活動活性化(第2次効果)、労働者の健康状態の改善(第3次効果)が高い割合で認められました。
平成21年度産業保健推進センター事業効果把握実態調査結果

平成21年度産業保健推進センター事業効果実態把握調査図

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独立行政法人 労働者健康福祉機構

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